専門領域

女性肛門外来

痔や大腸に関するお悩みに対して、女性医師が診察する女性肛門外来を行っております。

「少しはずかしい」を乗り越えられるように、
相談も診察も女性が行います。

当院では女性の患者様の痔や大腸に関するお悩みに対して、女性医師が診察する女性肛門外来を行っております。

女性の患者様にとって、デリケートな部分の診察は、相談しにくく受診をためらうお気持ちがおありかと思います。当院では、少しでもその気持ちを乗り越えていただけるように、女性医師による診察を行っています。

女性医師の診察を受ける前に、専門センターにお電話いただくと、受診前の相談も女性看護師がお受けいたします。ご予約いただくことで、診察までの待ち時間を短縮することも可能です。

肛門病についての症状・料金については「肛門病(痔)」も覧ください

ご相談窓口 女性肛門外来

女性肛門外来をご希望の場合は、必ず「女性医師希望」である旨をお伝えください。
女性看護師が応対いたします。
<診療日>
水曜日 午前(  9:00~12:00)
金曜日 午後(14:00~17:00)

  • 女性医師が不在の日もあります。女性医師の診察をご希望の場合は必ずお電話ください。
  • お電話の際にも症状などお伺いすることもございます。周囲の目を気にせずにお話できる場所からお電話ください。

専門センター 女性医師希望係まで

092-935-0317

  • 山口 泉
  • 山口 泉(やまぐち いずみ)

    肛門外科を専門としております。妊婦さんや産後に悩まれている方を始め、若い方から年配の皆様まで、女性のお尻の悩みをご相談いただけるよう、できる限り配慮いたします。 どうぞお気軽にご相談ください。ご不安を解消できるよう、治療方法など説明いたします。

    専門分野 肛門外科 消化器外科
    資  格 医学博士
    日本外科学会 専門医
    日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

女性の痔の特徴

女性の痔の特徴

日本人の3人に1人が痔の経験者と言われるほど「痔」はポピュラーな疾患です。

しかし、一般的に肛門科の受診者は男性が多く、女性は「隠れ“痔“主」が多いと言われています。これはデリケートな部分であるため「恥ずかしい」という意識が働き、なかなか受診までにいたらないためかと思います。痔になる要因の多くは比較的女性に多く、「妊娠・出産」、比較的女性に多い「便秘」、便秘の要因となる「ダイエット」等があげられ、特に痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)を起こしやすいと言われています。
痔は女性にとって決して珍しい病ではありませんので、どうぞためらわず受診されてください。

痔とは

痔は、20数種類ある肛門の病気の総称で、中でも三大痔疾患と言われる「痔核(いぼ痔)」「裂肛(切れ痔)」「痔瘻(あな痔)」は全体の9割を占めています。

  • 痔核(いぼ痔):肛門には粘液や液体の漏れを防ぎ肛門を閉じる機構である肛門クッションがあります。その肛門クッション内の静脈叢(血管の塊)に血液がたまり、膨らんでこぶ状になった状態になると、次にはそれを支える靭帯が徐々に緩くなり肛門外に脱出してしまいます。肛門の中のものを内痔核と言い、主な症状は排便時の出血や脱出です。肛門の外のものは外痔核と言い、主な症状は肛門外のしこりや疼痛です。
  • 裂肛(切れ痔):排便などにより肛門出口付近の皮膚が裂けた状態です。皮膚が裂けることで出血や痛みなどの症状が起こります。また裂肛が治る過程で「見張りいぼ」や「肛門ポリープ」などのしこりが形成され、何度も繰り返すと肛門狭窄をきたすこともあります。
  • 痔瘻(あな痔):肛門陰窩(便をスムーズに出すための粘液を産生する場所)からの細菌感染が原因でトンネル(瘻孔)を形成し、皮膚につながった状態をいいます。皮膚につながる前段階では、肛門外部の腫れや痛みを主症状とする「肛門周囲膿瘍」を引き起こします。痔瘻になると腫れや痛みに加え、排膿を伴います。痔瘻については慢性化すると癌になる可能性もあるため、手術治療が唯一の治療法となります。

痔の治療

基本的な治療方針は保存療法と生活習慣の改善になります。患者様の痔の状態を説明し、日常生活やお仕事への影響なども考慮しつつ、方針を決めていきます。

  • 保存療法:内服薬や痔疾患用の座薬、軟膏
  • 生活習慣の改善:食事の改善、排便習慣の改善、生活様式の見直し

保存療法で改善が見られない場合や、改善が見込めない症状の場合は、手術が必要な場合もあります。 「痔核」では、日常生活に支障をきたす脱出や出血がある場合、「裂肛」では肛門の狭窄や疼痛が強い場合になります。「痔瘻」は手術でしか治せないため、診断がついた時点で手術適応となります。

受診の際に、状態や治療方針などの説明を行い、手術が必要な場合はさらに療法などをご説明いたします。ご不明な点はどうぞ遠慮なくご質問ください。

痔核(いぼ痔)

  • 保存的治療:内服薬、軟膏、便秘や生活習慣の改善
  • 硬化薬による注射(ALTA療法)
  • 切除手術

裂肛(切れ痔)

  • 保存的治療:内服薬、軟膏、便秘や生活習慣の改善
  • 肛門拡張手術(肛門が狭くなった場合)

痔瘻(あな痔)

  • 治療法は手術のみ
痔核の手術療法

痔核の手術には、硬化療法(ALTA療法)と切除手術の2種類があります。手術方法のメリット、デメリットおよび患者様の患部の状態をご説明し、患者様のご希望にも耳を傾けて治療法を決定いたします。

  • 硬化療法(ALTA療法)

    内痔核(肛門の中のいぼ痔)にのみ適応で、痔核の中に直接注射液を注入する治療法です。

    良い点
    • 麻酔をしてもしなくても施行できるため最短1泊2日での治療が可能
    • 手術後の出血や痛みが少なく、早期に社会復帰可能
    悪い点
    • 切除手術と比較して再発率が高い(10%前後)
  • 切除手術

    全ての痔核に適応できる治療法で、痔核そのものを切除し、根元の血管を結紮する治療法です。

    良い点
    • 再発率が低い(2%未満)
    悪い点
    • 手術後の出血や痛みのリスクがある
      (個人差はあるが痛みが2週~1か月程度持続する)
    • 平均5~7日間の入院が必要